半田ごてを握ったら書くブログ 2nd

半田ごてを握ったら書くブログの続きです。

MacBook Air 11インチ (Mid 2013)をUSキーボードに載せ換えてみる

半田ごては握らなかったのですが、MacBook Air 11インチ のJISキーボードをUSキーボードに載せ換えたのでその記録を残しておきます。

下記は単なる個人的な記録であり、私はこれらの行為を薦めているわけでも否定しているわけでもありません。
これらのことを行うのは自己責任であり、MacBookAirの分解、改造をおこなうことによってAppleからの保証を受けられなくなるばかりか、故障の原因や最悪の場合、二度と利用できなくなる怖れがあります。その点ご理解のうえお読み下さい。


イントロ 〜MacBookAirを入手したぜ!
先日、知人より MacBook Air 11インチ 2013モデル、正確にいえば、MacBook Air A1466(以下、MBA)を格安で手に入れました。
私は普段はMacBookPro 15インチ Retinaに外付けHDDや外部ディスプレイを接続して使っているのですが、出張や外出時に持ち歩くにはちょっと重いし、普段使いのバッグに入れるとギリギリサイズで他になにも入らなくなるし、なにせ外部接続機器の取り外し・取り付けが面倒だったので、MBAを買おうかなどうしようかなと悩んでいたところでした。
そこへ知人がMacからWinに乗り換えるからMBAいらない?とのことだったので1年落ちのMBAを格安で譲ってもらいました。

で、このMBAはキーボードが日本語なんです。JISキーボード。
日本で普通に買ったらJISキーボードなのはあたりまえですが、仕事柄プログラムやらシステムをイジっているので普段つかっているPCやMacはUSキーボードを使っていました。

キーボードレイアウトが微妙に違うのは使いづらい!やっぱ普段から慣れているUSキーボードを使いたい!
ということで、MBAのJISキーボードをUSキーボードに載せ換えようと目論みました。


計画立案 〜まずは情報収集
この件についてググってみると情報がほとんどない。あるとしてもキーボード自身の掃除をしたとか、業者で修理したとか、その業者がMBAの分解は緊張するぜ、とか。
具体的にキーボードを載せ換えの情報は、以前のMBAならAppleが載せ換えサービスをやっていたとか、購入時にBTOでUSキーボードが選べるとかばかり。
しかもAppleのサービスだと費用が2〜3万円くらいかかっていたとのこと。
さらに、MBAのUSキーボードを「正規」に入手する方法もないようで、業者がどこからか仕入れたモノ(横流し品?)やeBayやヤフオクとかにあるものでしか入手できなそうな感じでした。

ということで、USキーボードは横流しでもなんでもいいのでどうにか入手して、自分で載せ換える方針にしました。


部材入手 〜これをやらなきゃはじまらない
まずはUSキーボード
eBayをみると相場は 12,000〜16,000円程度の模様。
ちょうどヤフオクに 開始価格 15,800円、即決価格 17,300円というものがあり、eBayで海外とやりとりする面倒さを考えればこれでいいかな?と、開始価格で入札、数日待ってその価格のまま落札。
出品者と連絡をとると、どうも中国から直送されるようなので、一週間くらいまって到着。これも横流し品?w

それから特殊ドライバ
MBAは星形の特殊(トルクス/ヘックスローブ)ドライバを使っているのでamazonで入手。

[Present-web] Macbook Air用 星型ドライバー 1.2mm




ところがこのドライバでMBAを分解してみたら液晶パネル側を固定するヒンジのネジがぜんぜんサイズが合わなくて使いものにならなかった。
しかたないので、複数サイズがあるものを入手しなおし。

AC6088A 38in1特殊ドライバーセット トルクス ヘクスローブ 六角棒 Y型 三角ネジ 五角 ペンタローブ プラス マイナス iphone5 アイフォン ハッピーセット コンパクト



後から知ったがYahooショッピングにだしてるお店にもっと安いのがあったけど、まぁ300円の違いくらいは誤差かなぁ(^^;



交換作業開始! 〜分解、分解、そして分解
必要な部材が全部そろったので交換を開始するために、机の上を片付けて広い場所を確保。そして家人が寝しずまった夜中に作業です。
うちには8歳児の女の子がいるので、この手の作業をやっているとまず間違いなく割り込んでくるしガヤガヤして集中できないので夜中に決行です。

まずは、先人の知恵を拝借するため、iFixitで分解方法を確認しながら作業開始!
iFixit

iFixitの手順通りにさくさくと部品を外していきます。
ネジは止める箇所によって長さやサイズが違っているので、どのネジがどこに付くかも忘れないようにメモと写真を撮りまくっていきます。

見た目は同じネジに見えてもサイズがけっこう違っているのでドライバを買い直したのは正解でした。
それからやたらと糊付けで部品が「貼って」あるので部品を破損させないように慎重に剥がしていきます。

WiFi/BT基板と液晶パネルのヒンジのネジはiFixitの写真とは少々違っていました。


まぁこれくらいは誤差のうち。気にせず作業を進めます。

マザーボード、サブ基板を外すとキーボードの全容が見えてきます。キーボードの裏面にべったりと黒いシートが貼り付けてあります。
これは購入したUSキーボードにはついていませんので、これも剥がしてUSキーボードにつける必要があります。
さらに、そこからなにやら配線がでいます。

このシートは実際にはシートの直下に薄いプラスチック板があり、さらにその下にキーボードに対応するように穴のあいた黒シートがあってキーボードに糊付けされています。
シートは凄く薄いので慎重に剥がしましたが、それでもすぐに切れてしまいます。このシート自身がなにか電導的な部品ならマズイなぁと思いながら配線部分まで剥がしてみたところ、どうもLEDがのっているらしく、これがキーボードのバックライトだとわかりました。
そういえば配線にも「Luminous」って書いてありました。写真ではわかりづらいかな。

なので、あまりズタズタに切れない程度で剥がせばよいとわかり、ちょっと気が楽になったので一気に剥がしていきます。

最後にトラックパッドを外し、トラックパッドの調整ネジも外します。

で、分解は完了!

さ、キーボードを載せ換えるぞい!


USキーボードに載せ換え 〜Appleの仕組みに苦渋の決断を迫られる
載せ換えはUSキーボード上に分解の逆手順で組み立てていけば良いはずです。
すでに作業の8割がたは済んだも同然!余裕綽々〜と思っていましたが、そうは簡単に問屋が卸してくれませんでした。

先ほどJISキーボードから剥がした黒シートをUSキーボードに貼っていきますが、どうもうまくあいません。
シートの位置を決めるガイドとしてキーボード側から4つのポストが立っているのですが、この位置だろうとシートを乗せると右側3つ分が若干ずれています。おかしいな??とUSキーボードとJISキーボードのポストの位置をよくよく見比べてみると、ほんの僅かに位置が違います。

そのうち1つはCPUクーラーの固定に使われるものなので、ものは試しとCPUクーラーを載せてみました。
JISキーボードだとこう

USキーボードだとこう

がーーーーん!
キーボードのポスト位置があきらかに違います。そしてそれに対応できるようにCPUクーラー側は2つのネジ穴が開いています。

これはショックです。
これではキーボードのシートを載せることができません。
どうしようかな、と悩みました。ここまでやってUSキーボードを載せることを諦めようかなとも。。。。。



いえ、結論はすでにでています。それを実行するための踏ん切りをつけるために悩んだふりをしていましたw


結論とは、、、そう、シートとプラスチック板に新しい穴をあけるです。



そうしないと付かないのだからしょうがありません。
苦渋の決断です。Appleが行ったトリッキーな仕組みに対して「穴をあける」で対抗するしかないのです。

といことで、現物合わせで位置を決めてカッターでチマチマと穴をあけます。独立した穴にするには隣の穴が近すぎるので、従来の穴を拡張することにしました。
で、こんな感じになりました。

もとからあったスペーサをつけるとこんな感じ

これでシートは正しい位置に設置できました。
シートに残っている糊をそのまま使いゴシゴシとシゴキながらUSキーボードに貼り付けます。

ここからは本当にばらした逆順で組み立てていくだけ。
ネジ位置を間違わないように一気に組み立てます。

全部組み上がったら、配線わすれがないかどうか全て確認して裏蓋をつけて、電源を入れてOSが動くかどうかチェックです。
はい!問題なく再起動しました。
キーボード入力やトラックパッドなどを確認します。ハード的には問題なさげです!


USキーボード環境の構築 〜OSも一筋縄ではいかない
ハード的には問題なさげなので、OS側をUSキーボード設定にします。インストール済みのOSは「OSX 10.9.5 Mavericks」です。

以前、USBでUSキーボードをつけていたことがあるのでそんなに難しくはないだろうとOSの設定方法もググります。
ググりますが、どうもそのやり方が存在しない。LionだかMountain Lionだかあたりから変わってしまったらくし、JISキーボードなMacにはJISキーボードレイアウトから変更できないようです。
いや、たぶんOSのどこかをいじれば変更できるのかもしれませんが、少なくとも「システム環境設定」だけでは不可能なようです。
試しに、、、と、OSXクリーンインストールから実行してみましたがJISキーボードとして自動認識されてしまいます。

これは困りました。またまた真っ暗闇です。。。。
なんて、  ウ・ソ♪ (*´ڡ`●)


キーボードのバインドで困ったときは「keyremap4macbook」の出番です。先ほどの英語USBキーボードを使っていたときもお世話になりました。
で、KeyRemap4MacBookをダウンロード、、、と思ったらこれ製品名が変更されているようで、現在は「Karabiner」という名称になっています。
karabiner

これをダウンロード、インストールして起動し、
For Japanse → Change Keyboard Layout → Use Japanese Keyboard as US Keyboard
をチェックしてOKです。
他にもいろいろ設定できますが、まずはこれだけでUSキーボードのキーレイアウトをそのまま使えるようになります。

 @、*、#、[、]、<、>、(、)、、すべてキーボードと同じ位置で入力できます。
もちろん、IMEも使えて日本語もOKです!!


はぁー、長かったー。やっとUSキーボードが使えるようになったぁーーーーー。
疲れたーーー。ぐだぐだぁだぁーーー。
この時点ですっかり朝が来てましたよ。外からチュンチュンって聞こえる.... orz


終わりに 〜思えば遠くへきたもんだ
やっとのことで格安で譲ってもらったMBAをUSキーボードに載せ換えて普通に使えるようになりました。
ここまで思いもよらない幾つもの関門があり、そのたびにクリアしながら進んできました。
webを検索してもこの手の情報がほとんどないということは、みなさんあまりやっていないのか、やりたくてもできないのか、、とりあえずこの記事がだれかのためになればと記録しておきたいと思います。

最後に、動き始めたMBAを前に一言いいたいことがあります。



  こんなこと二度とやりたくない!!






p.s.
取り外したJISキーボードが余りました。
これどうしようかね?